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支配型リーダーと支援型リーダー

Portrait of business people discussing a new strategy at a seminar

私たちメンター・クラフトは、
支配型リーダーに偏らず、
支援型リーダーを軸足に置きながら、
必要な際に支配型を使い、バランスを
とったリーダーシップスタイル
を推奨しています。

 

2019年現在、そんなリーダーシップを
発揮している有名人であげるとすれば、

サッカー日本代表監督の森安 一氏

青山学院駅伝監督の原 晋氏

が典型的な支援型リーダーのタイプであり、
すでに今日までに多くの実績をあげてこられたリーダーでしょう。

 

私たちが、支援型リーダーシップに軸足を置く理由は明白です。

 

多様性の時代、人手不足の時代、
一人ひとりの生産性を高めなければならない時代、
不確実性の時代(答えが必ずしも見えない時代)、
倫理重視の時代においては、支配型に偏った組織や
リーダーシップでは、組織の成果を出せる可能性が低下してしまうからです。

支配型に偏ってしまえば、組織はリーダー能力に依存し多様性は発揮されません。
また人間は自己決定感が幸福感やモチベーションへつながることが
科学的に分かっており、支配型に偏ると

やらされ感と威圧感

で意欲の低下を招き、さらには組織に閉塞感を生み出し、
やがては業界離れや離職率の上昇へとつながります。

そうなれば当然、人手不足の時代にも対応できなくなります。
また、支配型は、組織や上司が決めたやり方や考え方の下だけで活動しますので、
各職場や一人ひとりに適合した仕事の進め方は原則認められません。

それはやがて、生産性重視よりも組織体裁重視となり、
ムダムリムラの仕事が山積する職場を作ってしまい
改革には重荷となってしまいます。

また、コンプライアンスが重視される現代では、昔のように
「上司絶対部下従順」という業界や組織では、パワハラのリスクを高め、
その情報はインターネットによって40万人以上と言われる就活生に瞬時に拡散され、
「業界離れ・組織離れ」を引き起こします。

同時に、自己決定感が低い組織においては、従業員のモチベーションは低下し、
離職率を押し上げる要因となってしまいます。

このように時代背景を考えれば、支配型リーダーに偏った組織は
明らかな“経営リスク”であり、人材育成・開発部門においては、
支援型リーダーシップに軸足を置いた組織風土を早急に醸成して
いくべきであると、私たちメンター・クラフトは考えています。

但し、決して支配型リーダーを完全否定するものではありません。
組織の一体感を強めたり、大きな組織改革を実現するためには、
支配型リーダーは必要不可欠です。

大切なことは時代に応じたバランス感覚であり、そういった面では、
今の時代には

「支配型と支援型のバランス」(適応型リーダーシップ)

がとても重要となってくるのです。

現実的には、所帯が大きい組織ほど、その時代に組織風土を
適合させながら変化をしていくことは容易ではなく、
短期間で変われるものではありません。

だからといって“急いては事を仕損じる”です。
風土醸成に近道はありません。

長期的な風土醸成を覚悟して1年でも早く取り組むことが、
厳しい市場環境においてSCA(持続的競争優位性)を
向上していくために必要不可決となります。

リーダーシップやマネジメントの研修は、
論理思考、交渉、統計のように共通かつ集約された
一定のメソッドで成果を導く形式のものは適しません。

これらの研修は、組織、リーダー、部下の特性、
そして何より時代に応じてスタイルを変化させるべきものであり、
ゆえに、お客様と研修会社の間で、時代背景や基本的な考え方に関して、
合致・共感しておくことが研修を企画していく上でとても重要となります。

  • 2019/03/14
  • 社長コラム
  • 投稿者:葛西 伸一