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ラテラルシンキング③ ~ゼロからアイデアを生み出す!~

皆さん、こんにちは。講師の河野貴史です。
前回のコラムでは、ラテラルシンキングに
取り組むにあたって、どうやってアイデアを
生み出すかについてお話ししましたね。

 

今回はラテラルシンキングのツールと
実施事例や、活用上の留意点について
考えていきたいと思います。

 

 

 

ラテラルシンキングツールと実施事例、活用上の留意点

アイデア創造を加速する、様々なラテラルシンキングツールが
提案されています。
以下に、代表的なツールと活用例をご紹介します。

ラテラルシンキングのツール例

ラテラルシンキングツールは、発散的な思考を重視しています。
代表例を以下に列挙しますが、使い方や実例については多くの
参考書(※1※2)があるので、そちらをご参照ください。

(1)ブレインストーミング
(2)マインドマップ
(3)EXCURTION(マンダラート)
(4)SCAMPER(オズ・ボーンのチェックリスト)
(5)アイデア掛け算
(6)月イチ・ワンダリング(何でも良いから社外イベントに参加:著者による命名)

関心のあるツールを見つけて、手と頭を動かしながら、個人で、あるいは仲間と
使ってみると良いでしょう。

ここでは「ゼロからアイデアを生み出す」という狙いに添って、
「(5)アイデア掛け算」の実施事例をご紹介します。

実施事例 ~アイデア掛け算~

基本となる商品・技術・サービスを選定し、そこから派生する新規アイデアを
生み出す手法です。
例として、「みかん」を活かした新商品・新サービスの考案事例を図3に
ご紹介します。大きく3つのステップで構成されています。

Step 1 基本商品(サービス)を選定
Step 2 参加者が順番にしりとりでワードを列挙
Step 3 商品とワードを掛け合わせて連想される商品(サービス)を考案

この手法の最大の特徴は、偶然出会った2つの単語を組み合わせ、
着想のきっかけを創造することです。
ご想像通り、実現性を無視したユニークなアイデアも続出します。

チーム討議では、アイスブレイクとしてStep 2を先に実施し、
その後で種明かしすると意外感が増して場が盛り上がります。

また、Step 2で生み出すワード数に制限はありませんが、
参加者で1~2周、10個以上が目安でしょう。
なお、商品等の企画に携わる方は「1,000本しりとり」と呼んで、
徹底的にアイデア数を増やす努力をされているようです。

参加者の反応

このワークに取り組むと、現実的なアイデア、潜在ニーズに迫るアイデア、
奇想天外なアイデアが多数生まれます。
また、参加者の皆さんが楽しみ、驚きながら取り組み、意気揚々とした
雰囲気に変わるのを実感します。

こんなアイデアが出てくるとは思いもよらなかった、もっとアイデアを
出そうと前向きになった、早速明日の会議で活用してみる、といった声が
数多く聞かれます。

さて、図3を著者が作成したのは数年前のこと、たまたま机の上にあった
みかんをテーマにしました。
ところが最近、近所のスーパーへ行くと、何とPOPに

「新発売!ミカン味の胡麻ドレッシング」

と書いてあるではないですか!
こんなことも起こるのです。

皆さん、いかがでしたか?
次回は最終回です。アイデアの発散から収束への移行、
アイデア創造の効率を高める工夫などについて
お話したいと思います。

弊社の研修でもこのテーマを「3Dシンキング研修」として
実施しています。

ご興味ある方は、ぜひ本コラムを続けてお読みくださいますと幸いです。

またお気軽に研修開催についてのご相談もお待ちしております。

参考文献
※1)山下貴史, 3分で分かるラテラル・シンキングの基本, 日本実業出版社, 180(2008)
※2)読書猿,アイデア大全,フォレスト出版,163(2017)

  • 2022/06/03
  • コンサルティング
  • 投稿者:河野 貴史