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部分から全体を推し量る

インフルエンザが猛威を振るい、雪
全ての都道府県でインフルエンザ警報が
発令されています。

私たち研修講師は、お客様のご要望に
十二分にお応えするため、体調管理には
人一倍気を使います。

特に秋から冬、春にかけては風邪を
ひかないよう、人ごみではマスクを着用し、
外出から戻ったら必ず手洗いとうがいをします。
お取引先から、マスクをした人が来ると講師だと分かる、
と笑われますが・・・

 

さて、冬といえば雪、私は宮崎県生まれなので
雪を見るとワクワクします。

先日、こんなことがありました。

目が覚めると、カーテンから薄く光が射しこんでいますが、
ひどく寒い朝です。布団にもぐったまま、今日はいい天気だけど、
手袋をしてマフラーをして・・・と思いながら、身支度を整えて
外に出ると、雪が降っているし、車の屋根にはずいぶん積もって
いるのです。

目が覚めて感じた様子とは大違い。
雪大好き人間にとっては、嬉しい誤算の一日で、ガサガサ雪を
踏みしめる楽しい一日になりました。

 

私たちには、全体を確かめることなく、部分的なデータを手掛かりに、
全体像を決めつけてしまう癖があります。
仕事でも私生活でも、論理的に物事を進める上では避けるべき姿勢で、
理想的には、全体像を把握したうえで重要な部分だけに絞り込んで
いくことが求められます。
しかし、現実には、そもそも一部のデータしか手に入らない場合も
たくさんあります。どうすればよいのでしょうか。

そこで活躍するのが、「統計」です。
統計分析を使うと、私たちの身の回りで起こる出来事について、
たとえ小さな針の穴からしか覗けない場合でも、全体像の推測が
可能になります。望遠鏡で覗き見る、狭い視野に散らばる星々から、
視野の外にある広大な宇宙の構造を推し量る、そんなイメージでしょうか。

部分と全体は似ているけども、全く同じではありません。
統計分析を活用することで、一部のデータから全体像を定量的かつ
確率的に推定することができます。この時、データ全体を母集団、
抜き出した(覗き見た)一部のデータを標本(サンプル)と呼びます。

このような統計的推測手法は、テレビの視聴率推定、選挙の当選確実情報の発信、
工業製品の不良率調査や品質管理など、様々な場面で活用されています。
いずれの場合でも、母集団を正しく推測するためには、偏りのない標本を
抽出することが不可欠です。例えば視聴率調査なら、視聴者の年齢、性別、
家族構成、居住地などが偏らないよう、均等に調査しなくてはなりません。
手間がかかって面倒だからといって、調査地域等に偏りが生じると、
全体像が歪められてしまいます。望遠鏡の「覗き方」にも細心の注意が必要です。

翻って、昨今の国の行政における統計データの信用低下は、前記のような
標本の「偏り」が「恣意的に」もたらされたのではないかという疑念に発しています。
これに関しては、事実の解明を待ちたいところです。

さて、私も、朝起きたらまずカーテンを全開にして、外を見るようにしなくては。

  • 2019/02/26
  • コンサルティング
  • 投稿者:河野 貴史