「問題解決」と「課題解決」を正しく理解する
両者は似ているようでいて、目的もアプローチも異なります。
ここでは初心者にもわかりやすく、
その違いを明確に示し、さらに職場での事例を交えて解説します。
さて、まずみなさんに問いかけです。
サッカー、バスケ、野球、ボクシング、柔道など――
対戦型のスポーツで「守り」だけで勝利を手にすることはできるでしょうか。
答えは「NO」です。
守りだけで負けないことはできても、
勝利をつかむには「攻め」が欠かせません。
ビジネスに置き換えれば、問題解決は守り、課題解決は攻めです。
「企業は常に、倒産する方向に向かって進んでいる」――
これはファンケル創業者・池森賢二氏の言葉です。
守りだけでは生き残れても勝ち残ることはできません。
未来を切り拓くためには、攻め=課題解決の姿勢とスキルが不可欠なのです。
🔑 定義をシンプルに押さえる
◇問題解決:発生した不具合やトラブルを取り除くこと。[対処型][守り]
◇課題解決:目標達成のために取り組む改善や挑戦。[設定型][攻め]
さらに表現を加えると、
- 問題解決は「対処型」(起きた事象に対応する姿勢)
- 課題解決は「設定型」(未来に向けて目標を設定し挑戦する姿勢)
👥 キャリア段階と必須スキル
- 問題解決は中堅・若手社員までに必須のスキルと姿勢。
日常業務で発生するトラブルに迅速かつ冷静に対応できることが求められます。
- 課題解決は中堅ベテラン、そして初級管理職以上に必須のスキルと姿勢。
組織やチームを未来に導くために、目標を設定し改善を推進する力が不可欠です。
💼 オフィスワークの事例
事例1:メール送信エラー
顧客への重要なメールが送信できない。
- 対応:システム部門に連絡し復旧、代替手段で電話連絡。
- 分類:問題解決(対処型)。
事例2:顧客対応スピードの改善
問い合わせ対応が平均2日かかり、競合は1日以内。
- 対応:FAQシステム導入、業務フロー改善。
- 分類:課題解決(設定型)。
🏭 製造現場の事例
事例3:機械の停止トラブル
生産ラインが突然停止。
- 対応:原因調査、部品交換、再発防止策。
- 分類:問題解決(対処型)
事例4:歩留まり率の向上
不良率5%を2%以下にしたい。
- 対応:工程分析、標準化、AI検査導入。
- 分類:課題解決(設定型)。
📊 問題解決と課題解決の比較表
✨ まとめ
「問題解決」と「課題解決」は、キャリア段階に応じて求められる必須スキルです。
- 若手・中堅には 問題解決(対処型) が不可欠。
- ベテラン・管理職には 課題解決(設定型) が不可欠。
両者を正しく見極めることで、日常業務の優先順位が明確になり、
組織全体の生産性も向上します。
問題解決:発生した不具合やトラブルを取り除くこと。
課題解決:目標達成のために取り組む改善や挑戦。
このシンプルな定義を常に意識し、
「これは問題か課題か」を判断する習慣を身につけましょう。
そうすることで、目の前のトラブルに冷静に対応しつつ、
未来に向けた挑戦を着実に進めることができます。
- 2025/12/24
- 社長コラム
- 投稿者:葛西 伸一


