Column & Informationコラム&お知らせ

  1. ホーム
  2. コラム&お知らせ
  3. コンサルティング
  4. 2025年新入社員研修を終えて

2025年新入社員研修を終えて

こんにちは。講師の明田 晴広です。

今年も新入社員研修を何件か担当させて頂きました。
例年思う事ですが、新入社員の方々の不安を感じ
ながらもやる気に満ちたフレッシュな思いに触れると、
私自身も新たな気持ちにさせられると共に、様々な
問題意識を感じることのできる機会となります。

ここ数年の新入社員と言えば、Z世代と呼ばれる
1990年代後半から2010年頃に生まれた方々であると
同時に、高校から大学までの多くの時間をコロナ禍の中で過ごした方々でもあります。

今回は新入社員の傾向について、研修を担当して感じたことを4点ほど挙げてみました。

さらに、それぞれについてどのような背景が考えられるのか、生成型AIに助けて
もらいながら考察してみました。

1. 良い意味で自分に素直である

例えば「リーダーにはなりたくない」と平然と言ったりします。
社会人になった1年生がそんなことを言ったらネガティブな印象を持たれるのでは
ないかと思うのが普通だと感じるのですが、自分をよく見せたいと思う欲求よりも、
自分に素直でありたいという欲求の方が強い傾向にあるのだと感じます。

このような傾向には以下のような背景があると言えます。

・インターネットとソーシャルメディアの普及:

SNSは、自分の考えや感情を気軽に発信し、
共感を得る場となっています。これに
より、ありのままの自分を表現することへ
の抵抗感が薄れました。

・ 個性を尊重する社会への変化:

終身雇用制度の崩壊や働き方の多様化
など、従来の企業文化が変化する中で、
個人のキャリア観や働き方に対する
考え方も多様化し、自分の価値観に合った
生き方を選択する傾向が強まっています。

・経済の不確実性と将来への意識:

従来の安定志向よりも、自分の興味や関心に基づいた自己実現を重視する傾向が
あります。不確実な時代だからこそ、後悔のないように自分の気持ちに正直に
生きようとする意識が働くのかもしれません。

2. 目的から何が期待されているかを想像する力が乏しい

指示されたタスクを言われたままにこなすことはできるものの、
そのタスクが全体の目的に対して、どのような役割を果たし、
何が期待されているのかを自ら推測し、目的との整合性を高めたり、
期待値以上のアウトプットを出したりすることが苦手だと感じます。

このような傾向には以下のような背景があると言えます。

・指示待ち文化:

受け身の教育や指示待ちの環境で育ってきたために、
そもそもの目的から改めて考えてみるという経験が少ない。

・ 情報過多:

あまりにも多くの情報に晒されているため、1つひとつの情報は断片的になって
しまう傾向があり、全体を構造的に捉える訓練が不足している可能性があります。

・ 日常的に起きうる問題:

Z世代やコロナ禍という事情以外でも上司や先輩との目的意識や背景に関する
コミュニケーション不足や、業務経験不足からくるものもあると思われます。

3. 特に理系の方々はデータや数値を扱うスキルは高いが、言語情報を論理的に組み立てる力が弱い

理系出身と言えば論理力に優れていると思われ 
がちであるが、実はデータや数値という極めて
クリアな対象に対する論理力には優れているが、
言語情報のようにあいまいさを持った情報を論理
的に組み立てたり、表現したりする力は弱い傾向
を感じました。

このような傾向には以下のような背景があると言えます。

・ 教育の違い:

理系の教育では、数式やデータを用いた論理的思考が重視される一方、
文章による表現力や議論の訓練が不足している可能性が高いです。
こういった意味では文系の方が言語情報の論理力には優れている傾向が
あるのかもしれません。

思考様式の違い:

数値的・演繹的な思考に慣れているため、言葉による抽象的な概念の理解
や説明に苦労する可能性があります。

・アウトプットの機会不足:

研究活動などでは、データに基づいた結論を簡潔に示すことが求められる機会
が多いですし、データを示せば詳細な説明をする必要はありませんから、言葉に
よる論理的な説明や議論の機会が少なくなってしまう可能性があります。

4. プレゼンテーション等の外観を整えるスキルは高いが、
内容の深堀りや本質的な課題の探求が不足している

学生時代からパワーポイント等の資料に触れる機会が多かったり、大学では
プレゼンテーションのスキルを磨く機会があるなど、資料作成スキルは高いが、
その内容は論理性に乏しかったり、深堀りの度合いが浅かったりする傾向が感じられます。

このような傾向には以下のような背景があると言えます。

・表面的な情報収集:
インターネットなどで容易に情報が入手できるため、表面的な情報をまとめることが
できてしまいます。結果として、深く考える事をせずに満足してしまう傾向となります。

・テンプレート依存:

既存のテンプレートを使いこなすことに慣れてしまい、資料の目的やTPOに合わせた
内容を深く検討する機会が少なくなっている可能性があります。

・思考訓練の不足:

学校教育や業務において、「なぜそうなるのか」を深く追求する訓練が不足している
可能性があります。これは業務経験の不足からくる部分もあると思われます。

こうしてまとめてみると、今後さらにAIが発達していく中で、我々自身もドキッとするような内容が含まれており、改めて気を引き締める必要があると感じました。

  • 2025/04/28
  • コンサルティング
  • 投稿者:講師 明田 晴広