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「人事評価は判定、上司はレフェリー」

 

6月も下旬となり、春の新任管理職研修も落ち着いてくる時期になりました。

日本では管理職研修というと、一般的に「マネージャーとしての心構え・姿勢・意識改革」を

中心とした内容で、講義調のものが多くなっています。確かにそのような研修を通して、

「自分はいよいよ管理職になったんだ」と意識づけをし、モチベーションを上げていくことが

重要であることは間違いありません。

私も、マネジメントの原理原則を学ぶ研修やリーダーシップを磨く研修を実施する中で、

受講者の意識改革と行動変容をセットで実現すべく、日々コンテンツ改良に余念がありません。

一方で、日本の管理職研修に不足していると感じるものもあります。

 

それは、評価者研修です。

 

管理職になれば、どこの会社でも、部下を評価することになります。

多くの場合、一次評価者になることでしょう。

ここで思い出してみてください。管理職の方はご自身が評価者になった時、

「(部下を)評価すること」に関する研修を受けたことがあるでしょうか。

きっときちんと研修を受けて評価スキルを身に付けてこられた方は

少ないのではないでしょうか。

 

日本企業では、「人事部による評価制度の説明会」程度で済ませる場合が

ほとんどで、スキルアップにまで踏み込んだ研修をしていないというのが

実態となっています。

私が会社員だった頃もこの例にもれず、評価者研修などはありませんでした。

管理職研修の中のごくわずかな時間を使って「評価とは何ぞや」というような

講義を受けただけで終わった記憶があります。

 

このように軽視されがちですが、実際に「評価する」ということはその程度の学びで

精度が上がるほど甘いものではありません。また、「他者(部下)を評価する」ことは

評価される側よりも、する側の心理的負荷が非常に大きい作業です。

 

人事の世界では、こんな言葉があります。

 

人事評価は測定ではなく判定である
Not a measurement, it is a judgement.

 

つまり、評価者は、レフェリー(審判)なのです。

 

 

スポーツでは選手が判定に不服だったとしても、最終的に決まった判定が

覆ることはまずありません。これは人事評価でも同じことが言えます。

部下にとっての評価者、特に一次評価者はとても重要な存在です。

なぜなら、二次評価者・最終評価者がいたとしても、一次評価者の評価が

最も大きく影響するからです。一次評価が二次・最終で覆されることも

ありますが、その可能性は極めて低いでしょう。

それゆえに「他者(部下)を評価する」ということは、その部下の今後の

キャリアに大きな影響を与える行為であり、責任重大なのです。

 

とはいえ、部下一人ひとりに対して、客観的で公平な評価を完璧に

行うことはほぼ不可能です。そこで、評価者は被評価者の納得性を

少しでも高められるように努力することが大切であり、

その判定力=評価スキルを向上させる必要があるわけです。

 

また、評価は人間の価値を高めたり低めたりするものではなく、

より高い成果を出す人材を増やし、会社と本人の成長を実現するものです。

したがって、上司である管理職だけでなく、部下たちもそれをしっかりと

理解する必要があります。

 

以前、ラグビーの審判の方がニュース番組のインタビューで

このように応えていました。

 

「ワールドカップで日本代表が勝ち抜いていくためには、審判が、何を考え、

何を大事しているかを選手は理解する必要がある」

 

これも人事評価に共通して言えることです。

会社が求めていること、上司が求めていることをしっかりと理解して、

使命を果たすべく成果を上げていく。

 

上司が、より公正な判定を下せるように、部下たちは期初の段階で、

S.M.A.R.Tな目標設定をしっかりと行い、レフェリーである上司に

事実情報を提供できるようにする。

 

これらは部下としての責務となります。

 

上司の評価スキル向上と部下の適正な目標設定、この2つをうまく連動させ、

組織の成長につなげるためには、評価者研修の導入が非常に効果的です。

またベストなタイミングで実施することで、上司の評価スキルアップや

部下のパフォーマンスの向上、モチベーションの向上がさらに期待できます。

 

評価者研修の導入時期については、大きく分けて以下の3つの時期が

好ましいとされています。

 

①評価サイクルの開始前

②新しい評価システムの導入時

③新たな評価者の登用時

 

②③については限定的なので、多くの企業にとって評価サイクルの開始前(①)となる

年度末前から導入をご検討されることをお勧めいたします。

 

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弊社では「評価者のための面談スキル研修」をご用意しております。

 

《評価者研修 実施例(7時間)》

◆特徴
双方向の問いかけ講義、グループ討議、ペアワークなどを
ふんだんに取り入れた、受講者主体型の研修

◆狙い
より適正な評価を通して、より会社と本人の成長に
貢献できるようになること

◆効果

・評価者として必要な知識や考え方を獲得する

・評価者に求められる姿勢をセットする

・評価者が実際に使うスキルを身につける

◆カリキュラム

①タレントマネジメントの効果

②評価とは何か?

③評価者はどうあるべきか?  何が正しい評価なのか?

④評価者と被評価者の役割と責任

⑤評価のプロセスと求められるスキル

a.目標設定
b.パフォーマンスマネジメント
c.評価
d.フィードバック

-ポジティブワード
-リフレーミング
-傾聴と質問
-フィードバックのテクニック

⑥ケーススタディ

-ケーススタディから実際の対応を検討する

⑦フィードバック演習

⑧まとめ

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  • 2023/06/23
  • 社長コラム
  • 投稿者:葛西 伸一